申し訳ございませんが、Internet Explorer 8 以下のブラウザではご覧いただくことができません。<br />Internet Explorer 9 以上、またはGoogle Chrome・Firefoxなどのブラウザでご覧ください。

閉じる

Logo

JP / EN

Au 1        s

Vol.8

極上の抹茶を体験するなら、京都・宇治市へ! 知られざる宇治の魅力を満喫できるおすすめ観光スポットも紹介!

2018.10.23

写真提供:平等院

皆さんは、「宇治」といえば何を思い浮かべるでしょうか。お茶、平等院、源氏物語・・・。魅力的な観光地がたくさんある宇治市ですが、実はそんなに詳しくない、という人は案外多いのではないでしょうか。 そこで、今回は初めて宇治市を訪れるお2人に、宇治の魅力を体験していただきます! なぜ宇治はお茶が有名なのか、知られざるお寺の秘密、人気の観光スポットおすすめの訪問時間・・・などなど、知っておくともっと旅行が楽しくなるような、お役立ち情報をレポートしてくれましたよ!

今回の旅人

安江さん:仏像を愛する大学生。京都で歴史を学んでいる。よさこいを極めるなどアクティブな一面も。
ミュウさん:中国からの留学生。専攻はウェブビジネス技術。旅程管理業務主任者の資格を取得するなど観光業界にも興味津々。
Thumb dsc 2814

JR宇治駅、茶壺ポスト

旅の始まりはJR宇治駅から。駅の目の前には、宇治市で使われる茶壺の形をしたポストがあります。もちろん、本物のポストとしても使用できますよ。

Thumb img 20180910 084917

Thumb
ミュウさんからひとこと!

茶壷ポストの記念写真を撮る人も多くて、大切な旅の思い出作りにも一役かうと思います。

中村藤𠮷本店

JR宇治駅のほど近くにある中村藤𠮷本店には、お茶を用いたお土産物の売り場と、カフェがあります。現在は一般のお客さん向けのお店となっていますが、昔は茶農家から仕入れて小売店に卸売りをする卸問屋だったため、店内には当時の名残が残っている箇所があります。
Thumb dsc 2824

土産物売り場にあるお座敷は、かつて茶葉の仕入れを行っていたところで、玄関に面した小窓から大八車で運ばれてきたお茶の葉を茶農家さんから受け取っていた場所だそうです。

Thumb

Thumb img 20180910 093258
玄関は大八車を横着けできるよう、大八車の車幅となっており、現在カフェへと続く扉には大八車の軸がこすれて出来た傷が残っています。カフェに行く前に足元にも注目!
Thumb img 20180910 093316

続いて、カフェにお邪魔します!現在カフェとなっている建物は、本来は製茶工場だったためかなり天井が高く、落ち着いた雰囲気の内装は、洋風でありながらもどこか和風に感じる素敵な空間です。

Thumb dsc 2796
カフェに使われている障子には、さまざまな「中村」の紋が透かし彫りにされており、とってもおしゃれ!

Thumb dsc 2790
カフェと物販の建物をつなぐ中庭には、立派な黒松が生えていますが、実はこれ、よく見ると帆引船の舳先と帆の形になっており、その形から「ふなまつ」と呼ばれていたそうです。カフェを訪れる前に、こちらも要注目ですね!

Thumb dsc 2787
安政元年の創業以来、それぞれのお茶の「らしさ」を追い求め、カフェでは清涼感を極めた煎茶、重厚な甘みを持った玉露など、宇治茶ならではの美味しさを味わえます。 さて、今回の取材では、茶そば、生茶ゼリイ[抹茶]、まるとパフェ[抹茶]をいただきました。
茶そば・・・宇治産の抹茶を練り込んだ緑色の柔らかめの麺は、ほんのりとお茶の風味が香ります。トッピングのネギは京都の九条ネギを使用。優しい味わいのつゆで最高です。

Thumb dsc 2804
生茶ゼリイ[抹茶]・・・挽きたての抹茶で作られたゼリーは、苦めではありますが、抹茶の味が良く出ていて、一度食べたら忘れられない食感のとてもおいしいゼリーでした。竹の器に入っており、見た目にもかわいらしいだけでなく、量も多めで、スイーツが好きな人には大満足なメニューでした!こちらの商品は[抹茶]と[ほうじ茶]の二種類があり、竹の器で提供されるのは宇治本店限定ということもあって、[抹茶]の方は店内でも人気No.1の商品だそうです。
Thumb dsc 2810

まるとパフェ[抹茶]・・・宇治本店限定メニューのこちらのパフェは、昨年の10月にリニューアルしたばかりの新商品で、生茶ゼリイに続いてNo.2くらいに人気の商品だそう。生茶ゼリイと同じく竹の器と、抹茶で描かれた中村藤𠮷本店の屋号まるとの十字紋でふたをした見た目は、インスタ映えすること間違いなし!のかわいさ。
Thumb dsc 2816

人気店なだけあり、通常はオープンと同時に満席になるような状態で、1時間半待ちというようなこともあるそうです。お店の方によると、取材日は月曜日であいにくの雨模様であったため、通常よりお客さんが少ない、ということでした。待ち時間を避けるなら、平日の雨の日の朝一が狙い目かも! ちなみにカフェの事前予約は出来ないのでご注意を。 住所:京都府宇治市宇治壱番十番地
営業時間:平日・土日祝
     銘茶売場 10:00~19:00
カフェ 10:00~19:00(受付終了 17:30) ※季節により変動あり
電話番号:0774-22-7800
アクセス:JR奈良線宇治駅から徒歩1分、京阪宇治駅から徒歩10分
公式ホームページ:https://www.tokichi.jp/

宇治橋、紫式部像

平等院の表参道の手前には、宇治橋と紫式部像が一望できる場所があります。紫式部といえば、『源氏物語』の作者として有名ですが、『源氏物語』には「宇治十帖」とよばれる、宇治市が舞台の巻があり、宇治川周辺をはじめ、宇治市内には源氏物語ミュージアムなど、『源氏物語』の関連施設および古跡が多く見られます。

Thumb     00738d
平等院表参道

宇治市ならではの、お茶を使った食べ物屋さんやお土産物屋さん、京都ならではのお土産物屋さんが所狭しと溢れています。歩いていると抹茶の匂いが度々香っていきます。抹茶ファンにとって、きっと見逃せません。

世界遺産、平等院

Thumb au 1        s
写真提供:平等院

10円玉の表面のモデルとして有名な平等院鳳凰堂。日本の寺院でも珍しいその形、極楽浄土の阿弥陀如来様がいらっしゃる宮殿を表しているそうです。お堂全体の形が鳳凰が羽を広げた形に似ており、屋根に一対の鳳凰がいることから鳳凰堂と呼ばれるようになったということですが、実は1万円札に描かれている鳳凰も、屋根の鳳凰がモデルになっているんです。
境内にある博物館、「鳳翔館」では、平等院が所蔵する国宝や重要文化財が展示されており、当時の鳳凰堂の装飾などを間近で見ることが出来ます。 国内外問わず、とても有名な寺院のため、一年を通して多くのお客さんが訪れるそうですが、なかでも樹齢約300年の藤の花が咲き乱れるゴールデンウィークの前後や、紅葉の季節は特に多くのお客さんが訪れるそうです。
1日を通してもずっとお客さんは多いようですが、平等院の方によると、平等院を訪れるのは朝一がおすすめだそう。というのも、極楽浄土の宮殿を表した鳳凰堂は、「西方極楽浄土」というとおり、西に阿弥陀様がいらっしゃるという考えから、東を向いて建てられています。ですから、朝の早い時間だと、太陽の光を正面から受けた鳳凰堂を見ることが出来るわけです。さらに、風がないときならば、池に映った鳳凰堂の美しい風景が見られるかもしれませんね。

安江さんからひとこと!

仏像が好きな私にとっては、鳳翔館の展示内容はとても興味を引くものばかりでしたが、なかでも一部屋使って完成当初の堂内の彩色を再現した展示室は、他の博物館ではほとんどないので、とても興味深いものでした。

Thumb au 2
写真提供:平等院

住所:京都府宇治市宇治蓮華116
拝観時間:庭園 8:30~17:30(受付終了 17:15)
     鳳凰堂内部拝観 9:30~16:10(20分ごと、各回50名定員)
     平等院ミュージアム鳳翔館 9:00~17:00(受付終了16:45)
     ミュージアムショップ 9:00~17:00
     茶房 藤花 10:00~16:30(ラストオーダー 16:00)※火曜定休日
拝観料:年齢や個人/団体によって変動しますので、公式サイトをご確認ください。
電話番号:0774-21-2861
アクセス:JR宇治駅から徒歩10分、京阪宇治駅から徒歩10分
公式ホームページ:https://www.byodoin.or.jp/

対鳳庵

Thumb     00236d
市営茶室:対鳳庵では、抹茶と煎茶の試飲、自分でお茶を点てられる、お点前体験が出来ます。今回は、煎茶のお点前をいただき、抹茶のお点前体験をさせていただきました。煎茶体験では、煎茶とは何かという説明を受けながら、目の前でしてくださるお点前を見て、会話を楽しみます。そもそも煎茶とは、抹茶よりも安価で手に入りやすかったことから、民衆や文人に親しまれた文化であり、茶道より簡単な作法を用い、人々が集まって会話を楽しむ、より庶民的な文化だったそうです。
Thumb dsc 2827

現在煎茶道の流派は、全日本煎茶道連盟に参加しているだけで約30あり、毎年5月と秋の2回、萬福寺にて日本最大規模の煎茶の茶会が行われます。今回お話をしてくださった先生は、「抹茶は普段飲まなくても、煎茶は普段から飲むものだから、茶道だけでなく、煎茶道をぜひ習って欲しい。」とおっしゃっていました。
茶道体験では、お点前の最後の行程である、抹茶とお湯を入れ、点てるという行程を体験できます。

Thumb dsc 2836

Thumb dsc 2828

Thumb dsc 2840

Thumb dsc 2843
安江さんからひとこと!

以前茶道を習っていたことがあるのですが、煎茶体験では、道具やお作法が茶道と似ている箇所もあれば全く違う箇所もあり、大変おもしろい経験でした!茶道を知っている人にとっても新鮮な体験になると思います。


ミュウさんからひとこと!

茶道の先生が「お茶席はそんなに堅苦しい場所ではなくて、元々はお茶をいれながら、文章を書いたり、詩を作ったりする場なんです。」とおっしゃったことが心に残っています。 おかげで、私も足を崩して、気楽に楽しむことができました。正座に慣れない方でも安心ですよ!


住所:〒611-0021 京都府宇治市宇治塔川2
開席時間:1月10日~12月20日(期間中無休) 午前10時~午後4時
料金:お点前体験 1,200円
3日前までに要予約、1名様から受付
※他にも様々なコースがあります。公式ホームページをご確認ください。
電話番号:0774-23-3334(宇治市観光センター)
公式ホームページ:http://www.city.uji.kyoto.jp/0000003943.html

萬福寺

Thumb dsc 2899
黄檗山萬福寺は、禅宗の一派である黄檗宗の大本山として、1661年(江戸時代)に渡来僧隠元隆琦禅師によって、中国福建省にある萬福寺を模倣した明朝建築様式を用いて開創されたました。日本でもほかにない、創建当初の姿を残したお寺です。萬福寺には、他の寺院では見られない独自の特徴が多く、とても興味深い内容が多かったので、ここでは「建築および彫刻」、「龍」、「生活」、「お茶」の4項目に分けて紹介したいと思います。

世界に数例!?萬福寺の明朝建築

萬福寺で注目すべきなのは、なんといっても他の寺院では見られない、中国式(明朝様式)の建築です。明朝様式の建築というのは、日本だけでなく、世界的に見ても数少ない残存例なのだそうで、中国にもほとんど残存せず、壊れた福建省の萬福寺の再興のために日本の萬福寺の様式を参考にするほどなのだそう。
まず、萬福寺を訪れた際に最初に目にする総門。一見少し豪勢なだけの普通の門のように見えますが、実は屋根の上にいる魚、足が生えているんです。この魚は「マカラ」といい、魔を払うものとして門に据えられ、また、魚は水の生き物ということで火災を防ぐという意味でも用いられているそうです。

Thumb img 20180911 174211 113
魚といえば、斎堂(僧侶が食事をするところ)の前にある開パンも魚の形をしています。これは時を知らせるための道具です。

Thumb dsc 2845
魚の他にも、売茶堂の扉のコウモリ、大雄宝殿の扉の桃の絵など、中国で魔除けであると考えられているものが萬福寺では多く取り入れられています。また、総門の瓦に据えられている獅子も、中国的な意匠なんだそう。

総門をくぐるとすぐ、三門(山門)が見えてきます。日本にある禅宗寺院ではよく見られる三門、実は、明時代の中国にはないんだそうです。他の禅宗寺院にあわせ、萬福寺においても取り入れられたそうですが、萬福寺においては一般世界と仏界を隔てる結界としての役割も帯びているそうです。ちなみに三門の外側に掛けられている「黄檗山」、「萬福寺」という字は、隠元禅師の自筆だそうです。
Thumb image

三門の正面奥に見えるのは天王殿です。天王殿で一番最初に目につくのはやはり、金色の布袋尊でしょう。日本では七福神の一神として知られる布袋尊ですが、中国では布袋尊は弥勒菩薩の化身である、と考えられています。天王殿の内部には、布袋尊と背中合わせに立つようにして韋駄天、二像の左右には四天王像が安置されています。この配置も中国的なのだそうで、中央に弥勒菩薩、その反対には必ず仏教の守護神である韋駄天が配され、その左右に東西南北の守護者である四天王像が安置されます。弥勒菩薩と背中合わせに立つ韋駄天は、守護神であるため、お釈迦様のおられる大雄宝殿(本堂)に対面するように立っています。

天王殿は明朝建築を用い、日本にはない建築様式が取り入れられています。また天王殿の正面にある柵は、バツのような見た目をしており、僧侶がたすき掛けをしたときに出来る交差に似ていることから、「たすき勾欄」といわれ、チベット寺院に多く見られるものだそう。天王殿がチベット仏教から渡来してきた証拠となる建築だそうです。

Thumb img 20180910 172343
韋駄天像が対面する大雄宝殿(本堂)には、釈迦三尊像(ご本尊釈迦牟尼佛、両脇侍迦葉・阿難尊者)と、十八羅漢像が安置されておりますが、ご本尊を取り囲むようにお堂の両端に並べられている十八羅漢像は、日本では十六羅漢として三門に安置されることが多いそう。三門の説明でも述べたとおり、中国には三門がないということもあり、中国ではご本堂に、十六羅漢に二尊足した十八羅漢として安置されるのだそう。なかでも胸を開いて阿弥陀様のお顔を見せる姿の「羅ご羅尊者像(らごらそんじゃぞう)」は、特に人気のお像で、世界中にたくさんある羅ご羅尊者像の中でも、胸を開いたお姿をとるお像は中国にも日本にも他にない、大変珍しいお像なんだそうです。 大雄宝殿はインドや東南アジアを産地とするチーク材を用いた日本では唯一の歴史的建造物で、世界でも数少ない残存例だそう。特徴的な丸い窓や、「大雄宝殿」という名前も、とても中国的な要素だそうで、窓枠の格子も、内からの景観を大事にする日本の建築とは違い、外からの景観を大事にする中国の様式を取り入れ、日本の窓と裏表が逆になっています。

Thumb dsc 2898
さて、日本の多くの寺院で見られる、三重塔や五重塔などの塔。萬福寺にはありません。これも明朝建築の特徴で、天へのはしごたる塔を建てずとも仏様がたくさん祀られている本堂は充分天に近いんだ、ということを表しているそうです。その代わり、大雄宝殿の屋根に塔の先端部のような飾りをつけることで、塔と本堂が一緒になった状態になっているともいわれています。 大雄宝殿と天王殿を回廊で結んだ様式は、中国でよくある左右対称の伽藍配置となっており、中央の大雄宝殿と天王殿の左右の建物は用途は違えど、形、大きさ、配置全てが左右対象になっています。

大雄宝殿の奧にある法堂には、先ほど紹介した、たすき勾欄ではなく、卍を崩した形とされる卍くずしの勾欄も見られます。
現在瓦葺きの法堂の屋根は、来年行われる屋根の葺き替えに合わせて、こけら葺きに変えられるそうです。瓦屋根の法堂を見るなら、今のうち・・・!

境内に隠された龍!?

さて、禅宗寺院といえば、建仁寺や天龍寺で見られるような、天井画を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし、萬福寺には龍を描いた天井画はありません。中国では、龍はお堂の天井に収まるような大きさではないと考え、萬福寺においては山全体に龍を配置したとされ、その特徴が境内各所に見られます。まず、法堂や大雄宝殿で見られる、ドーム型のひさし。これは黄檗天井といわれるもので、その骨組みが蛇の腹のように見えることから、蛇腹天井とも言われるそうです。この黄檗天井は龍の腹、瓦張りの床は鱗と見なし、龍の背であると考えられています。

Thumb img 20180910 172913
萬福寺に足を踏み入れるとお気づきになるでしょう、真ん中に四角い石畳を連ねた、珍しい形の境内の参道は、龍の幅を表しており、特徴的な四角い石畳は、龍の背びれを表しているそうです。龍の背を通ることが出来るのは悟りを開いた人だけである、とされているため、この参道の真ん中を通ることが出来るのは、どんな質問でも答えることが出来るとされる住職さんだけなのだそう。修行中の身である僧侶たちは、両端の石畳を通るそうです。
Thumb img 20180910 172830

境内で多く見られる松の木は、隠元禅師が「松の木がたくさんあった方が良い」と言われたためにたくさん植えられた、ということですが、山を這う龍の体毛を表している、とも考えられているそうです。 さて、法堂から総門まで続く龍の道を下っていくと、総門のそば、案内板の奧に放生池があります。この池は龍が持つ宝珠と見なされているそうなんですが、この宝珠、実は龍の心臓で、龍は心臓を体外に持っているとされているそうです。つまり、この池は龍の心臓を表している、ということになりますね。 池のすぐそばの総門は、龍ののどを表しているそうです。
Thumb

総門を出て道路を挟んだところには、左右に「龍目井」という井戸があります。左右で少し距離があり、判りにくいかもしれませんが、竹で蓋をしたこの二つの井戸は、その名の通り龍の目を表しているそうです。 そして総門の正面にある橋を龍の口先、橋の下の堀を龍の口先と見なすと・・・境内案内図をご覧になりながらお考えください。おわかりになりますでしょうか。法堂から橋までをつなぐと、まるで山から巨大な龍が下りてきているかのような配置になっています。龍が天井画に収まる大きさではないということを表現したかった中国の人達は、寺の境内に龍の一部を入れ込むことでその大きさを表し、山から龍が下りてくる姿を巧妙に描き出しました。萬福寺を訪れた際には、ぜひ確認してみてください。

建物だけじゃない!?中国式の坐禅体験!

萬福寺では、建物だけでなく、僧侶たちの生活や作法も中国式で行われます。日本の家やお寺では、お座敷に直に座るというのは普通ですが、中国では基本的に土間で直に地面に座ることはないそうです。そのため、お堂は全て瓦敷きの土間で、食事は椅子や机を使用し、坐禅や就寝の時も「単」という少し高い台の上で行います。 今回の取材では、坐禅を体験させていただきました。坐禅とは、坐った状態で心と身体を整え、精神統一を行う禅宗の修行のことです。 先ほども述べたように、萬福寺の体験坐禅は他の宗派のように畳の上ではなく、瓦敷きの法堂の、単の上で行います。通常は寝起きしている布団を二つ折りにし、おしりの下に敷くそうですが、こちらの体験では、布団の代わりに座布団を用いて行いました。坐禅についての説明を受けてから、短い休憩を挟みつつ2回に分けて数分間坐禅を組みます。

Thumb dsc 2867

Thumb dsc 2866

ミュウさんからひとこと!

禅が日本文化に与える影響は大きいので、萬福寺の坐禅体験は絶対に見逃せない体験だと思います。ここでは私のような初心者でも安心して坐禅体験ができます。 初めての坐禅体験だったので、背中と足が少しだけ痛かったですが、いい体験をしたと思いました。今回の坐禅では主に「忍耐」を勉強しました。どんなに辛くても、頑張っていれば、きっといいことがあると信じています。さらに、留学という形で、他文化の社会で生活をする私にとって、他人の生き方を尊重する広い心を持つ機会になりました。

Thumb dsc 2890

Thumb dsc 2892
萬福寺では普茶料理という中国の精進料理をいただくことも出来ます。托鉢を中心として生活する僧侶たちは供物を自分たちで用意することが出来ないため、法要の際などに仏様へのお供えとして人々が持ってきたものを、供え終わった後に調理して振る舞います。「皆様のお供えのおかげでこんなに立派な法要が出来ました」という感謝を示すため、普茶料理は普通の精進料理より豪勢で、「振る舞いの料理」という面が強いそうです。 さて、普茶料理のメニューを見ていると、メニューが中国語読みになっています。これは、明朝時代の発音らしく、実は黄檗宗では、お経も唐韻という中国語の発音で読んでいるんだそうです。

煎茶を日本に広めたお寺!?

さて、宇治といえば、「お茶」あるいは「抹茶」というイメージを持って来られる方は多いでしょう。萬福寺は、現在は一般的となったお茶を飲む、という文化を広めるきっかけとなったお寺なのです!お寺には、お茶に関する話や古跡が残っています。 そもそも、宇治でお茶の栽培を始めるようになったきっかけと「宇治=お茶、抹茶」というイメージがついた理由は何なのでしょうか。 栄西によって日本に持ち込まれたお茶は、はじめは宇治ではなく、栂尾高山寺に植えられました。しかし、高山寺の気候があわず、宇治に持ってこられました。宇治の気候がお茶の栽培に適していたようで、宇治はお茶の木の一大栽培地となりました。 宇治がお茶の木の栽培地となるのに多大な貢献をしたのが明恵上人です。萬福寺内にはそんな明恵上人の功績をたたえた碑があります。それが総門の正面に位置する「駒蹄影園碑(こまのあしかげえんひ)」。鎌倉時代に茶の種の植え方が分からず困っていた人々に、明恵上人が馬の蹄跡の間隔で種をまけばいいということを教えたという話から、明恵上人への感謝のためにたてられた碑ですが、現在の場所は移転されたものです。碑の両脇にはお茶の木が植えてあります。

Thumb img 20180910 181710
月海禅師は、京都の庶民にお茶を飲む文化を広めた人でもあります。中国から入ってきた淹茶法(湯に茶葉を入れて淹み出す入れ方)で茶を飲む文化は中国式の作法で生活をする萬福寺内で日常として行われました。月海禅師は、寺内だけでなく、民衆にも急須で煎茶を配って回りました。高価な抹茶に比べ、比較的安価で一つの急須から数杯分のお茶を注ぐことが出来る煎茶は庶民にも手に入れやすく、茶を飲む文化は次第に広まっていきました。 晩年還俗してお茶を売って生活をした月海は、売茶翁と呼ばれ、萬福寺内の売茶堂にておまつりされており、月海の月命日である毎月16日には全日本煎茶道連盟による法要が行われています。毎年5月には2日間に及ぶ日本最大級の煎茶会が萬福寺の境内で行われ、全日本煎茶道連盟に所属する約30流派が交代で参加します。流派によって作法なども異なるようで、とてもおもしろいそうです。毎年秋には中秋の名月を眺めながらの夜茶会が開かれ、近畿の流派が参加します。どちらも一般の方の体験が出来るので、一度訪れてみてはいかがでしょう。

Thumb img 20180912 115220 114
住所:京都府宇治市五ケ庄三番割34
拝観時間:9:00~17:00(入山受付、朱印所、売店は16:30まで)
拝観料:大人(大学生、高校生含む)500円、中学生・小学生300円
電話番号:0774-32-3900
アクセス:電車 JR奈良線「黄檗」下車徒歩5分、京阪宇治線「黄檗」下車徒歩5分
     お車 滋賀方面からお越しの方 京滋バイパス「宇治東」ICから5分
        大阪方面からお越しの方 京滋バイパス「宇治西」ICから10分
公式ホームページ:https://www.obakusan.or.jp/

宇治市の思い出をお土産に-宇治抹茶が買えるおすすめ店舗一覧-

宇治でお茶の歴史を知り、美味しいお茶を味わった後は、緑茶をお土産にしたい!と思われる方も多いはずです! 宇治の緑茶の品質は世界中で認められていますので、贈り物として喜ばれること請け合いです。 おすすめの店舗をまとめてみたので、宇治にお越しの際はぜひお立ち寄りくださいね!


赤門茶屋
公式ホームページ:http://www.akamon-chaya.com/
電話番号:0774-21-2058

伊藤久右衛門
公式ホームページ:https://www.itohkyuemon.co.jp/
電話番号:0774-23-2321

不老門 泉園銘茶本舗
公式ホームページ:http://izumien.com/
電話番号:0774-21-2258

岩井勘造商店
公式ホームページ:http://hoshunen-iwaikanzo.com/
電話番号:0774-23-2500

お茶のかんばやし
公式ホームページ:http://otya.co.jp/
電話番号:0774-22-5318

上林春松本店
公式ホームページ:https://www.shunsho.co.jp/
電話番号:0774-22-2513

北川半兵衛商店
電話番号:0774-44-3338

共栄製茶 宇治森半店
公式ホームページ:https://www.kyoeiseicha.co.jp/
電話番号:0774-22-3063

松北園茶店
公式ホームページ:http://www.ujicha.com/
電話番号:0774-32-8105

角與商店
電話番号:0774-43-5122

高村三光園
公式ホームページ:http://b-omotesando.com/shop/sankoen/index.html
電話番号:0774-21-2540

通圓茶屋
公式ホームページ:http://www.tsuentea.com/
電話番号:0774-21-2243

辻利一本店
公式ホームページ:http://www.tsujiriichihonten.com/
電話番号:0774-21-2121

辻利兵衛本店
公式ホームページ:http://www.tsujirihei.co.jp/
電話番号:0774-23-1111

寺島屋弥兵衛商店
電話番号:0774-22-3816

中村藤𠮷本店
公式ホームページ:https://www.tokichi.jp/
電話番号:0774-22-7800

中村藤𠮷本店 平等院店
公式ホームページ:https://www.tokichi.jp/stores/map_byodoin.html
電話番号:0774-22-9500

西村番茶屋本店
電話番号:0774-43-5129

服部製茶場
公式ホームページ:http://www.ochaya-uji.com/
0774-21-2018

福寿園 宇治茶工房
公式ホームページ:http://www.ujikoubou.com/
電話番号:0774-20-1100

福寿園 宇治茶菓子工房
公式ホームページ:http://www.ujikoubou.com/
電話番号:0774-28-6810

堀田勝太郎商店
電話番号:0774-22-1645

堀井七茗園
公式ホームページ:http://uji-shichimeien.co.jp/
電話番号:0774-23-1118

松坂屋嘉八本店
公式ホームページ:http://matsusakaya.jp/index.html
電話番号:0774-21-2304

丸久小山園
公式ホームページ:http://www.marukyu-koyamaen.co.jp/
電話番号:0774-20-0909

丸宗
公式ホームページ:http://www.marusou-uji.com/
電話番号:0774-21-2030

三星園上林三入本店
公式ホームページ:http://ujicha-kanbayashi.co.jp/
電話番号:0774-21-2636

山田園
公式ホームページ:http://www.yamadaen.jp/
電話番号:0774-21-2232

山政小山園
公式ホームページ:http://www.yamamasa-koyamaen.co.jp/
電話番号:0774-24-1122

Copyright © 2015 DAY ALIVE Inc. All Rights Reserved.